母は美しい人であつた。
秋の日差しのやうなその微笑み。
母はやさしい人であつた。
私に触れるやはらかい手のぬくもり。
母は強い人であつた。
それでも東へ向いた窓辺に立つと、時折額を曇らせてゐた。
母が死んだ時のことはなぜかあまり覚えがない。
ただ、いつもはひたと背を伸ばしてゐる父が、
おそろしく疲れた様子で崩折れるやうに椅子へ沈み込む、
その横顔だけがはつきりと灼きついてゐる。
ああ、
思へばあれこそが、
はじまりであり終焉であつたのだと。
ママが腕に抱いてるのは一応ボロたんなんだが、
どっちかというと弟の独白っぽいですか。
トップ絵だった時の加工はこちら。
フィンドゥイラスは物事に動じないイメージがあります。
東方の脅威にはそれなりに恐れも抱いていながら、
人間の善性をちゃんと信じているひとであるような気がします。
その辺があの地味に悲観的なダンナを支えていたんでないかと。
デネソールがパランティアに触れたのは 「執政になってすぐ」 のことらしいが、
それって要するにフィンドゥイラスがなんとなく弱ってきていた頃ではないのか。
(デネパパが執政になる前の年にファラミアが産まれています)
(そして執政になって4年後にフィンドゥイラスが亡くなっています)
…なんつーか、つくづくお母さんは偉大だったのだなあ。
まさしく王都ゴンドールの屋台骨は彼女であったのかもしれない。
【2004/03/18 ©桐】
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